【書評】「福」に憑かれた男 人生を豊かに変える3つの習慣

「福」に憑かれた男 人生を豊かに変える3つの習慣

 

昔、就活しているときに「手紙屋」という本を読み、その内容がすごく良くて感動したが、その「手紙屋」と同じ著書による本。この本も読むと感動する。

 

話としてはシンプル。実家が本屋だった主人公が本屋の経営をしていた父が亡くなった後に事業を継ぎ、最初は事業がうまくいかなかったものの、ある人との出会いを通じてお客のことを本気で思いやって本を勧めることを実施していった結果、事業が好転し、幸せになったという話。

 

シンプルだけど、とても感動するストーリーだと思う。
また小説のようでありながらも参考になる教訓がちりばめられている。

P51「自分の状況を変えなければならない事態が起こるたびに『今よりももっと素晴らしい人生を手に入れるためには今の場所にとどまっていはダメだぞ』と誰かが教えてくれているんじゃないか」
あとから振り返ればやらないとどうしようもなくなるという事態が起きるってとても幸せなことだろうなと。自分のことを嫌でも追い込めるのだから。

 

P87「幸せとか成功というのはそれを手にしたときに訪れるのではなく、その工夫を楽しんでいるときに感じる」
確かに案外何かを成功したときよりも実際にうまくいくかわからないながらもいろいろとやっているときが楽しいのかもしれない。成功にいたる過程が大事なのかと。

 

P109「考えなければならないのは、どうやってお金を儲けるかではない。どうしてお金を儲けなければならないのかということ。」
ただ成功したいという思いを持つ自分には耳が痛い。確かになんのために自分はお金を稼ぐのか。自分の人生を何に使うのか。そこを考えないと人生なんてあっという間だから、なかなか答えにたどり着けない難問だけど、見つけられるようにこの質問は常に念頭に入れておきたいと思う。

 

P161「まずその人に興味を持つ。その人のことを本当に大切に思う気持ちを君の中に創ろうとしている」
この人に何か自分がしてあげられることがないか。できれば自分の強み、得意なこと、才能があること活かして他の人に貢献できる。そういった人になることが幸せに至る道だし、貢献している分自分にも還元されるということになる。最近この観点が抜けて自分がいかに満足するかばかりを考えていた。もっと他人への貢献という視点で物事を処理していきたい。

 

自分としてはこんなところ。他にも良い文がいっぱいあるので、是非読んで確認してほしいと思う。

【書評】稲盛和夫の実学 経営と会計

稲盛和夫の実学―経営と会計

 

現在の会社では経営管理というものが行われていないに等しく、社長の大きな声で会社が動いているだけである。そこに個人的は危機感を感じて、もっと会社の経営を数字ベースに定量的に運営できないのかというところを考え、本書を読んでみようと思った次第。

著者はかのアメーバ経営で成功したことで有名な元京セラ会長稲盛氏。この人自身は会計についてはまったく知らなかったものの、実際の経営をしていく現場で自分なりの会計哲学を発案し、それをベースに会計を解説している本。

例えば、前書きに「企業を長期的に発展させるためには企業活動の実態が正確に把握されなければならないことに気づいたのである」という言葉があり、自分もまさにそのとおりだと思っている。その実態を把握するうえで各ビジネスプロセスごとにデータを取る仕組みを作って導入することが大事なんじゃないかなと。自社では全然できていないので、偉そうに言えないけども。。

また、P61にはこんな記載がある。
「安全に経営しようと思えば、減価償却プラス税引き後利益で返せる範囲のお金でしか設備投資をしてはならない」と。要は手元に実際にあるキャッシュ以上で投資をしないということ。堅実だけど、自分はこの考えに共感する。むちゃくちゃ投資してハイリスクで圧倒的な成長を志向するよりも堅実ながらも確実に成長するほうがいい。

さらにP84の「売れない製品は在庫評価もせずに帳簿から落とすべき」とか。在庫として持っているだけで資産としてカウントされ、不要な税金をかけてしまうことになるので即刻落とすってこと。この辺もよく見ていないと経理担当者が売れなくても通常の棚卸資産に繰り入れるという操作をオペレーションですることも多いかと思うので、自分がメーカー的なビジネスをするなら覚えておこうと思った。

 

最後に、180Pにこんな記載があった。
「問題は目標が高いか低いかではない。決めた目標を社員全員にやろうと思わせるかどうかなのです」
本当にそう。社長の仕事はそこにあると思う。会社の目標に向けていかにコミットさせるか。なのに、今の会社では社長自身がそういった環境や雰囲気作りに興味がなく、社員は自分で自分をモチベートさせろという状況。それなら社員なんて雇わなければいいのに。とグチになってしまうのでこの辺でやめようw

 

個人的には少し会計の知識がわかっている方が楽しめるんじゃないかなと思う本。

 

 

 

【書評】ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた

ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた  そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)

 

ホリエモンの本。案外ホリエモンの本を読むのって初めてだったが、読みやすく読ませる内容を意識して書いているのか普通に面白かった。

 

内容としてはホリエモンが昔収監された2年半の間に彼曰く「情弱」にならないために1000冊もの本を読み、その本の中で面白かった本をテーマごとに紹介している。

 

ホリエモンの考え方や価値観が随所に見れる。
いくつか自分のコメントとともに紹介したい。

「情報が入ってきたら、すぐにビジネスモデルにしてアウトプットする習慣をつける」
やっぱり起業家ってこういう習慣を持っているんだろうなと思う。誰よりも考えることを実行しているのが本物の起業家なんだろうな。ビジネスモデルを作るというのは才能ではなく、努力なのだろう。

「職業はたくさん経験したほうが刺激的だし、いろいろな視点が身について相乗効果が出るはずだ。」
イノベーションの視点だろうな。スティーブジョブズも言っているようにある日過去の点と点が思いがけず線につながったときにイノベーションが起こるというような。であれば、たくさんの意味ある点を愚直に作っていくことが各人が頑張っていくことかなと。

 

「堀の外でも中でも結局自由になれるのは、その他大勢が持っていない知識を身に着けたものだけ」
知識は力なりということだろう。もちろん知識だけあってもただの頭でっかちだから、意味がないが、そもそも知識がないと、考えるということが時間がかかると思う。前提となる知識があれば、スピードを上げて考えることができる。それはスピードが速い現代社会ではとても大事な要素。

 

「未知を既知にしていく喜びは、人を永遠の少年にする。理系おたくの青春は終わらない」
今までの世の中にないものを追求していくということにかけては理系分野の人は恵まれていると思う。自分も高校に戻れたら、理系に行っておけばよかったなと感じたり。

全体を通じてけっこうエンタメ系の本と科学系の本の紹介の両極端に偏っている気がするけれど、そこも「らしさ」が出ていていいんじゃないかなと。
たぶん本を通じて考えるということが目的だから、いろいろと考えが促進される分野がそこだったのかなと。

 

いずれにせよ単なる書評本ではなく、ホリエモンの考えがかなり出ているので、ビジネスに興味がある人は読んでもいいと思う。

 

 

 

【書評】私の財産告白

私の財産告白

どうやって財産を作るか。その方法を本多静六という昔大学の教授をしていた人が語るという趣旨の本。こういった趣旨の内容と聞くと、ありふれた本に聞こえるかもしれないし、内容もすごく斬新な手法が紹介されているわけでもない。

著書で言っていることはシンプルだ。
「まず貯蓄してある程度の額が貯まったら、投資する。また、好景気時代は貯蓄に励み、不景気時代に思い切った投資をする。」
これだけ。もちろん細かいことはもう少し書いてある。

例えば貯蓄する際には、固定給である月の給料は4分の1を自動的に引き抜いて貯蓄するとともに、臨時収入は全額貯蓄に回すということを紹介している。今だったら、収入が入った瞬間にほかの口座に振り替える設定をしておけばいいのだから、その設定をしておけばいいだろう。もとから稼いでいるひとは別にして、普通の人は4分の1を貯蓄すると苦しいだろうが、その状態がデフォルトになれば、あとはもう乗り越えるしかないわけだから、なんとかなるだろう。

ある意味は著者は財産を作るための王道を改めて紹介しているのである。ではなぜこの本がみんなに読み継がれているのだろうか?(自分の持っている本ですら、第13刷である)2つあると思う。1つは本多の小さなことを積み重ねて努力した結果成功した生き方に自分でも成功できるんじゃないかという期待を感じるということではないか。世の中でもてはやされる奇想天外だったり、大胆な成功者よりも身の丈に合っているのではないか。
もう一つは本多の正直でまっすぐでぶれない生き方に潔さを感じ、自戒の意味で読む人も多いのではないか。

自分がいいと思う個所をいくつか引用。
・貧乏生活から脱却しなければ精神の独立も生活の独立もおぼつかない

・まことに若い時の苦労は買ってでもしろと言われているが、貧乏に苦労し、貧乏し抜いてこそ、人生の意義や事物の価値認識を一層深めることができるのである。

・その身を落とし、生活を切り詰め、労苦をいとわず働くことを覚悟すれば、他人に不義理もせず、泣き言も持ち込まず、独立独歩の世渡りはまずできるものである。

引用を書いてて思った。自分はきっと人様に迷惑をかけずに自立して生きていきたいと思っていて、そこがあるからこの本に良さを感じるのかなと。

まあいずれにしても、この本は文字も普通の本より大きめで文章も平易なので、読みやすいと思う。自分は特別な人間ではないけども成功はしたいという人は読むことをおすすめする。

【書評】社長が3カ月不在でも、仕組みで稼ぐ、年商10億円ビジネスの作り方

社長が3か月不在でも、仕組みで稼ぐ、年商10億円ビジネスのつくり方

 

今勤めているベンチャー会社が年商数億円レベルなので、年商10億という数字がとても現実として感じられたので、興味を持ち、購入してみた。

なんとなくイメージではわかっていたことが本書を通じて具体的に分かった気がする。会社を最初に作った段階では社長としても良い製品を良い顧客を見つけて売るというところに注力すればよいが、会社を次のステージにするためには社長がいなくても回る仕組みが必要。

仕組みとしては自分の理解では以下である。まず会社として目指すゴールがあり、そこに対してこういう方策をこういうスケジュールで実施するというプランがある。そのプランを分業して実施するために、各部署に役割をしっかりと文書などで規定して分割して渡し、それぞれの部署が目標達成に向けて動く。また、部署として業務の改善やブラッシュアップも当然含む。それぞれの部署が目標達成するうえで、仕事の判断基準となる価値観やルール、業務の流れや業務マニュアルなども用意する。そうやって属人的ではない組織としての仕組みを作っていく。

今の会社ではその辺のレベルが低い。もっと仕組みを構築していきたいところ。ただ、社長がそこにもうちょっとコミットしてくれたらとは思う。

個人的にいいなと思った箇所をいくつか引用。

「変革を起こすときに人の意識が先ということはありません。強引でもやってしまう環境が先です」
反対する人はいつだっているから。だからこそ誰かが旗振り役になって仕組みを導入していく必要がある。


「業務の基準がないと判断、指導、評価など何もできないことになる」
ほんとうそう。今の会社の業務でもそういった何をもって達成したという基準を置くのかという部分があいまいだから、みんな判断に困り、社長に聞くことになる。社長がその辺の判断基準を持っているなら、そういったものはどんどんと文書化していくべきだと思う。

「文章になっていないことが意見が出ない、意見が出せない最大の原因になります」
激しく同意。文字にしていない状態である程度の内容を話すと、ほんとに優秀な人以外は話している内容についていくことが精一杯で考えることが難しくなるんじゃないかなと思う。書くという文化をいかに組織として醸成するか。その観点が大事かなと。

 

「会社は社員の犯すミスや社員の能力が低いことでつぶれることはありません。会社がつぶれるのは良い顧客に良い商品を提供できなくなった時です」
だからこそ仕組みが大事だし、社長は仕組みが回っていること、および顧客への価値提供がしっかりとできているか注視する必要がある。

ベンチャーの経営者もしくは社長の下で働いているという人におすすめ。もし興味あれば読んでくれれば。

【書評】必ず感動する言葉が見つかる 座右の銘2000

 

必ず感動する言葉が見つかる座右の銘2000 (中経の文庫)

 

これはアイディア発想のために辞書的な意味合いで買った本。自分の使い方としては、①例えばなにか悩みがあった際に適当に開いたページの言葉を読む、その言葉が何かに応用できないか考える
②単純にかっこいい言葉を受けて自分のモチベーションを上げる
あたりになるだろうか。

 

①は実用的だが、②の使い方もわりとありだと思う。
例えば、自己啓発系の本の効果ってモチベーションを上げて実際に行動してみようかなと思わせるところにあると思うが、大体持続して2,3日が関の山である。
もし自分が本に線とかラインとか引いていないのなら、あとで自分がぐっとくるポイントも覚えておらず、そこを見つけるためにはもう一度再読する必要があり、それは手間で読まないとかそういうことになりやすい気がする。
でもこの本は良い言葉を集めている本だから、適当に開いてもモチベーションが上がる言葉が簡単に見つかる。



今適当に開いてみてそこにある言葉をいくつか例として書いてみる。
日野原重明(医師)「いのちに齢を加えるのではなく、あなたの齢にいのちを加えよう」

湯川秀樹(ノーベル物理学賞受賞者)「取り返しのつかない大きな失敗をしたくないなら、早い段階での失敗を恐れてはならない」

・フロスト(アメリカの詩人)「森の分かれ道では人の通らぬ道を選ぼう。すべてが変わる」

コルネイユ(フランスの劇作家)「勇気ある人はみんな約束を守る人間である」

 

どうだろう?まあ人によっては微妙な印象かもしれないし、この本に載っているすべての言葉に心を動かされるわけではないが、それでも有名な人だったり、名の知れている人たちの言葉がこれでもかと掲載されているので、その人その人によってこれいいなという言葉が見つかるだろう。

言葉にはパワーがあると思う。しかも成功した人や有名な人というのはある程度努力してきたはずだから、その人が発する言葉というのはほかの人よりも強く響くと思う。その強さを吸収して自分の糧にしたらいいのかなと。人は言葉で形作られるので、自分の持つ言葉が変われば、行動も変わり、行動が変われば結果が変わるはず。

まあこの本は600円と大した値段ではないから、気になった人はぜひ買って気軽に使ってみては。

【書評】アイデア大全 創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール

アイデア大全

 

読書猿というアルファブロガーの方が出した本。と聞くと、なんか大した本に思えないかもしれないが、この方のブログを見ると、本当にどんな頭の構造をしていたらこんなにも賢くなれるのかというくらい知識と思考力が半端ない方。
間違ってこのHPに来て気になる方もいるかもしれないので、一応URLを貼っておく。

読書猿Classic: between / beyond readers

そんな方がアイデアの発想法をまとめた本を出すとのことでもうこれは買うしかないと購入した。

 

42もの発想法を用途別に紹介している。知っているものもあれば知らない方法もあり、非常に参考になる。ただあくまでこれは発想法なので、実践して自分の方法論としてストックしていくのが大事。著者の方もそのようにおっしゃっている。

実践していた中だと、ノンストップライティングがある。もともと「0秒思考」の影響で1分ひたすらある疑問に対して思うことや思い浮かぶことを時間があればやっていて、1分×10回を実施していた。そのいちいち手を止めるのが面倒くさくなり、今は10分でひたすら書くというのを実施している。
これをやると自分の場合、頭がスッキリする気がする。書くことで自分の頭の中でもやもやすることを外に出せたというかそんな感覚になる。

あとは面白いなと思ったのは、5W1Hの発展系として、それぞれの項目、例えばwhereを出した際に、そのwhereの要素に対して、さらに5W1Hを組み合わせることで詳細に考えていけるという話。そこは盲点だった。確かにそういう使い方もありだなと。(ちなみに5W1Hは英語圏ではキプリングメソッドという名前で呼ばれているらしい)

また、アナロジーが解決策のアイディア発想ですごい役に立つだろうなという気がする。オズボーンのチェックリストは有名だろうけど、他にもいろいろなアナロジーの方法が紹介されていて使ってみたくなる。

 

自分で他にやっていることとして、すぐに役立つ可能性は低いが、2つの全然関係なさそうなワードを組み合わせて何か面白いアイディアができないかみたいな。
ノートを見たところ、例えば以下。
・アート×工作機械⇒工作機械をもっとカラフルにしたらどうか?
・消火器×サックス⇒音で火を消す装置とかどうか?
・トイレ×お菓子⇒トイレで食べるお菓子とかどうか?
全部意味がわからないものが多いが、こういうことを意識的にやっていると、頭が柔らかくなる気がする。

普段頭固い人とかはアナロジー系の発想法とかやるといいかもしれない。もちろん何の役に立つのかと言われると心苦しいのだが。。

 

ともあれこんなにアイディア発想法をまとめている本は他にないと思うので、参照用でも買っておくと役立つこと間違い無し!