【書評】成りあがり

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)

 

昔からずっと本の存在は知っていたのだけれど、読んでいなかった。なんか何かの雑誌で出ているのをみかけて、ちょっと読んでみようかなと思い、購入。

 

著者は言わずと知れた矢沢永吉さん。ファンの間では永ちゃんで親しまれている。
かつてアメトークケンコバが永ちゃんの名言を紹介していたのを聞いたけどもそれもすごかった。確かこんな内容。「俺はいいけど、矢沢はどうかな?」と。一瞬何を言っているかわからないけど、おそらく個人としてはいいけど、スターとしての矢沢としてどうなのかという意味なのかなと。
まあこんなすごい言葉を発する永ちゃんの著書だけあって同じように熱い魂が随所にあふれた記載がいっぱいあってなんか楽しい。

冒頭から

成りあがり
大好きだね この言葉
快感で鳥肌が立つよ

とか来る。ファンじゃなくてもこれはすげえなと思う。

そしてこの人の本を見ていると重要なことは自分の頭で考えることだなと思う。永ちゃん自体は中卒とかでしかないが、いろいろと自分で考えて行動していることばかり。だからこそ永ちゃんはこれだけスターになれたんだろうと納得する。すなはち、この本から学べる成功哲学はいっぱいあると思う。


自分としては気になったところをいくつか挙げてみる。

 

「才能とは自分に合っているという感じがするもの。何が自分に合っているかそれを真剣に考えろ。」
自分の強みを活かしている人には勝てないもんな。というか才能がある分野の仕事をしている人はそれが苦にならないから努力ではなく自然と長時間できるから、そこが差になるのかなと。

 

「安心したいがために行動する。だから行動が早い」
一見むちゃくちゃなようでも筋が通っているんだなと。

「伴ってなけりゃ、ダメなんだよ。現実と常に。」
永ちゃんはある意味夢を追いかけていた人ではあるが、意外とリアリスティックに物事をとらえているんだなと。確かに一発KOでもう道はありませんって状況にはならないようにしないとだよな。

 

「どうして落ち込まないか。はっきり目的があるからだよ。」
やっぱり自分の向かう先を常に意識するのは大事だなと改めて思わせてくれる。自分のゴールは何か自問自答をする習慣をつけたい。

 

こう書くとわりとまじめな感じに見えるけれど、本編はもっと永ちゃんスタイルの自由な書き方で表現されていて本当にアーティストを体現したような人だなと感心する。

 

最後の糸井重里さんの解説もいい。永ちゃんはこの本を通して、自分にあった道を見つけて、そこで成りあがれというメッセージを訴え、みんなを鼓舞しているのだと。