【書評】社長が3カ月不在でも、仕組みで稼ぐ、年商10億円ビジネスの作り方

社長が3か月不在でも、仕組みで稼ぐ、年商10億円ビジネスのつくり方

 

今勤めているベンチャー会社が年商数億円レベルなので、年商10億という数字がとても現実として感じられたので、興味を持ち、購入してみた。

なんとなくイメージではわかっていたことが本書を通じて具体的に分かった気がする。会社を最初に作った段階では社長としても良い製品を良い顧客を見つけて売るというところに注力すればよいが、会社を次のステージにするためには社長がいなくても回る仕組みが必要。

仕組みとしては自分の理解では以下である。まず会社として目指すゴールがあり、そこに対してこういう方策をこういうスケジュールで実施するというプランがある。そのプランを分業して実施するために、各部署に役割をしっかりと文書などで規定して分割して渡し、それぞれの部署が目標達成に向けて動く。また、部署として業務の改善やブラッシュアップも当然含む。それぞれの部署が目標達成するうえで、仕事の判断基準となる価値観やルール、業務の流れや業務マニュアルなども用意する。そうやって属人的ではない組織としての仕組みを作っていく。

今の会社ではその辺のレベルが低い。もっと仕組みを構築していきたいところ。ただ、社長がそこにもうちょっとコミットしてくれたらとは思う。

個人的にいいなと思った箇所をいくつか引用。

「変革を起こすときに人の意識が先ということはありません。強引でもやってしまう環境が先です」
反対する人はいつだっているから。だからこそ誰かが旗振り役になって仕組みを導入していく必要がある。


「業務の基準がないと判断、指導、評価など何もできないことになる」
ほんとうそう。今の会社の業務でもそういった何をもって達成したという基準を置くのかという部分があいまいだから、みんな判断に困り、社長に聞くことになる。社長がその辺の判断基準を持っているなら、そういったものはどんどんと文書化していくべきだと思う。

「文章になっていないことが意見が出ない、意見が出せない最大の原因になります」
激しく同意。文字にしていない状態である程度の内容を話すと、ほんとに優秀な人以外は話している内容についていくことが精一杯で考えることが難しくなるんじゃないかなと思う。書くという文化をいかに組織として醸成するか。その観点が大事かなと。

 

「会社は社員の犯すミスや社員の能力が低いことでつぶれることはありません。会社がつぶれるのは良い顧客に良い商品を提供できなくなった時です」
だからこそ仕組みが大事だし、社長は仕組みが回っていること、および顧客への価値提供がしっかりとできているか注視する必要がある。

ベンチャーの経営者もしくは社長の下で働いているという人におすすめ。もし興味あれば読んでくれれば。