【書評】ビジネスは「非言語」で動く 合理主義思考が見落としたもの

ビジネスは「非言語」で動く 合理主義思考が見落としたもの (アスキー新書)

 

「経営参謀」か「戦略参謀」の参照本の中にあり、タイトルが気になったので、買ってみた。タイトルでもあるとおり、人の「非言語」領域についての話である。非言語領域とは主に感情や感覚を通して伝わってくるものごとを指す。ビジネスの現場では、言語領域、すなわち論理をいかにつかいこなすかが大事だと思われているが、実は非言語領域をいかにうまく活用するかが今後のビジネスで問われることではないかという仮説のもと、それを活かす方法も指南している。

例え話を使うと少ない言葉でも相手にイメージが伝わり理解しやすくなるとか、相手からなんでと聞かれた時は相手はロジックが通っているかにこだわっているというかそれをやりたくないとかの想いで言ってる場合が多いとか、成功している経営者ほど直感や勘を大事にしているとか、
確かになるほど考えてみればそうかもしれないと思えてくる。

特に製品開発に関係する人はこの本の視点は見ておいたほうがいいと思う。売れている商品というのは意外と人の非言語の領域に訴えかけているものが多い。非言語に訴えかけようと思ったら、顧客が語る言葉からではなく、もっと違うところで判断する必要がある。直感で感じたことをヒアリングしたり、絵や粘土などを使用して言葉ではない形で表現してもらったり、目の動きや行動自体を観察してそこから顧客の思っていることを判断したりなどがそれである。

こういった手法を取ることによって顧客が言葉では表現しきれないけど、心の中で思っていることを把握し、その心のうちに叶うような商品作りを行うのだ。

 

もちろん、製品開発だけではなく、ビジネス上のコミュニケーションでの活かし方も紹介しているので、面白いと思う。
個人的には非言語領域を刺激するようなビジネスキャンプを1泊2日とかで社員同士で実施するというアイディアが気に入った。今の会社でそれもやりたいと言ったら、社長も面白そうと乗り気だったから、いつかできるといいなと。その時はもう来ないかもしれないが。。
もし今の会社で実現できなくても、将来自分の会社を作った時にこういう考えを適用していきたいと思う。

本としては200Pちょっとしかない本で内容も難しいところが全くないので、もしご興味あればお気軽に読んでみては。