【書評】調理場という戦場

調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫)

 

この本はやばい、働いている人は是非読んで欲しい。胸が熱くなること間違い無し!もっと仕事を頑張ろうと思わせてくれる。

著者は現在「コート・ドール」というフレンチのお店を東京で開いている料理人の方。お店を開く前は単身フランスに渡り、12年間フレンチの名店で修行していたという。この人のすごいところは謙虚にいながら、それでいて超熱い心を持ってひたすら努力し道を切り開いてきたというところ。そんな人だからこそ、この本で語られることは本当にこの人の血肉になったことを語っているようで、だからこそ胸が熱くなるのかなと。
いくつか本から引用してみる。

「やり過ぎを自分の常識にしなけりゃ、人と同じ水準は保てまい」
素質が自分にはない。だからこそ人一倍努力するんだ。そういう強い意志。実際には優秀な人ほどこういう思考の人が多い気がする。自分も高みを目指すなら、自分の武器を磨く努力をしないとなと思う。

「こいつは単なるお人好しだと思われたら、もうそのお店にいる間は終わりなんです」
ただのいい人って自分の主張もない=価値がない。もしくは相手が自分の要求をどんどん押し通してくるようになり、自分の自由がなくなっていく。そこは戦う勇気を持ちたい。というかこのぐらいギラギラしているやつが今どのくらいいるのだろう?

「本当に勝負するときというのは、百戦錬磨の時を過ごしてきたんだという自覚ともう俺はひとりでもやれる。誰もいなくなってもやりきってやるというぐらいの気力の充実が必要。(中略)そうじゃないと、実戦に使うことができるバリエーションがすぐに尽きてしまい、飽きられる捨てられることもある」
料理の世界はまさに個人の実力が問われる世界だからすごくシビアだけども、普通のビジネスの世界でもこの論理が強さを増していくはず。今のうちに自分も生き抜くために実力を磨きたい。

 

「大変だけどすばらしかったと言える人生を送りたい」
その通りだと思った。自分もそうでありたい。自分の子どもに尊敬されるような仕事人になりたい。

 

「頂点の成功を手にしているけど、小さい頃の自分をわきまえている」
こういう実力があって謙虚な人になりたい。本当に実力があれば、何も自慢しなくても分かる人には勝手に伝わるだろうし。

 

「ひとつの優れた特性で勝負する人のほうが何でもできる人よりも価値がある」
これは昔からいろいろな人が言ってるだろうけど、勝負できるほどのひとつを持っている人が今どれだけいるだろうか。自分は少なくともその領域まで至っているものがないので、これから磨きをかけていきたいと思う。

 

ちなみにこれは先日紹介した「人生を変える読書」にも出ている1冊。面白い本を紹介いただき、感謝です!