【書評】人生を変える読書 無期懲役囚の心を揺さぶった42冊

 

人生を変える読書  無期懲役囚の心を揺さぶった42冊 (廣済堂新書)

 

 

タイトルから分かるとおり、無期懲役囚である著者が自分の心を揺さぶった42冊を選んで紹介している本。無期懲役囚にもかかわらず、服役しながら、1分1秒を惜しんで月に100冊は読破しているというのだから、頭が下がる。
自分なんて年に100冊が目標でしかないので、それを1月に達成しているというのだから。

 

肝心の内容だが、本の内容を紹介しながらも、著者自身の体験や考え方が随所に出てきていて、かつそれがとても良い内容なので、人生をもっと良くしたいとか、根本的に人生を変えたいとか、すごい人の言葉を知って刺激を受けたいとか考えている人におすすめである。

 

著者の考えの中で一番ガツーンと来るのは、人生の考え方だろう。
例えば本人の言葉として以下のようなことを語っている。

「人生は一回性。その瞬間瞬間に、本気で立ち向かってこその人生」
「欲も得も世評も気にせず、己が決めた道を突き進む生き方」
「太く短い人生がいい」
「人間いつか死ぬんだ。早いか遅いかだ。なんで信念を曲げてまで生きなきゃならんのだ。曲がるような弱い根性なら死んだほうがましだ」



この人の人生に対する本気の姿勢に自分の普段の過ごし方がいかにぬるいのかと姿勢を正される思いを感じる。自分でやりたいことがあるなら、自分自身で目標を設定し、それに対する計画をし、行動を起こすこと。そういった一連の流れをひたすら繰り返す今を積み重ねる。意識して今を生きないと自分の望む未来はいつまでも掴めないんだろう。


もちろんここで紹介されている本の中でもとても印象的な言葉がたくさんある。
例えば、以下である。

「正気でいては、大仕事は達成できない。気違いになって死に物狂いでやるものだ」
「私が恐れるのはただ一つ、私が私の苦悩に値しない人間になることだ」
「あなたが経験したことはこの世のどんな力も奪えない」
「人生でいちばん大事なことは結局知識ではなく、行動だ」
「人生の第一のことはおのれの義務を尽くすことだ」
「楽しさというのはきっと苦しさを抜けていないとつかめない」
「私たちは喪失体験を通じて大きく成長する」
「すげえやつほど凡人以上に努力する」

勇気をもらえる言葉ばかりだと思う。どの本かは明言はしないが、さっそく著書の中で紹介されていたうちの1冊を注文して読んでいる。まだ途中だけども、線を引きまくっている。自分が本気で立ち向かってきた経験については人の心を引きつける熱量があるのだろう。

著者と著者の紹介する本の内容から自分とおなじように”アツさ”を感じてほしいと思う